ビットコインについて
ビットコインを2010年の時に1万円を出して買っていれば、今4295万円。
みなさんこんにちは。スキエンティアブログです。
今回は昨今の話題になっている仮想通貨の中で、最もメジャーなビットコインについて簡単に解説していければと思います。
ビットコインとは
ビットコインは、サトシ・ナカモトと名乗る正体不明の人物が発表した、たった9ページから構成される論文によって発明され、一言で説明すると、「金融機関を挟まない電子通貨」です。
ビットコインが支持者や投資家から「良いもの」として捉えられており、それにより価値が暴騰している理由には、経済的要因が様々ありますが、前提にあるのはビットコインが生み出すメリットです。
ビットコインのメリット
ビットコインのメリットは、簡単にまとめると3つあります。
- 経済的なコストの削減
- 技術的にも物理的にも安全
- 透明性と匿名性が高い
これらをわかりやすく説明するにあたって、みなさんが当たり前に使っている銀行と比較してみましょう。
1.経済的なコストの削減
銀行などの従来の金融機関などは、個人が取引をする際の仲介役として、手数料を徴収し、
それが儲けになっています。
それに比べてビットコインは、仲介役を設けませんので、手数料が仲介役に支払われることがないのです。
この金融機関などの第三者による手数料の搾取が及ばない通貨を技術の力で実現しようとしている、非常に革命的なプロジェクトと言えます。
では、どうやって仲介役なしで取引を実現しているのでしょうか?
それは、2つ目のメリットに理由があります。
2.技術的にも物理的にも安全
1で説明したように、従来の送金では、銀行が間に入って送りたい人にお金を送ることが実現できていました。
銀行は間に入ることで手数料を取っていますが、そもそもなぜ間に入ることができるのでしょう。
それは、銀行が信頼できる機関であると利用者に認識されているため、その信頼を前提に、トラブルがないように送金を代行してもらい、その対価として手数料を受け取っています。
しかし、銀行を信頼することには問題点もあります。
この問題点を中心に、ビットコインの技術的・物理的安全性を解説します。
問題点①
銀行を信頼することの問題点の1つとして、国民がお金を引き出せなくなる「預金封鎖」や、銀行内部関係者による不正など、中央集権的な意思決定で勝手に利用者のお金を支配できる状況があることが挙げられます。
これに比べてビットコインは仲介役がいないので、民主的な意思決定によって、不正が行われることなくビットコインの管理が行われます。
ただし、そもそも銀行の場合でいう「信頼」に当たる何かがビットコインにもないと、ユーザーは安心して取引ができません。
その「信頼」の代わりとなり、かつ民主的な意思決定を可能にしているのが、「ブロックチェーン技術」なのです。
具体的には、ブロックチェーンという技術がどのような仕組みで「信頼」を作っているかというと、それはビットコインの全ての送金に不正がないかどうか、ということを全世界のビットコイン参加者なら誰でもチェックすることができるようになっていることです。
(チェックすることをマイニング、する人をマイナーと呼びます。)
そして、誰か一人が不正な取引を認めてしまっても、残りのビットコイン参加者(マイナー)の過半数以上が不正を認めない限り、不正な取引は実行されないように技術上設計されているのです。
世界中のビットコイン参加者全員を同じ意見にして、不正な取引を承認させるのは不可能ですので、ほぼ確実に不正は排除され、安全であると言えます。
1で、ビットコインは仲介役を設けないので手数料が仲介役に支払われることがないとお伝えしましたが、代わりに手数料がこのマイナーに支払われているため、マイナーは手数料を儲けるために、より安全な取引にしようとチェックを頑張ります。
そして、これらは銀行の手数料に比べると遥かに安い上、取引ごとにマイナーの役割を担う人は違うので、特定の機関に搾取されなくて済みます。
さらに、取引は暗号化技術によって暗号化されているので、改ざんもできません。
つまり、改ざんできない上に、みんなで正しく監視していくという民主的なチェックが技術上用意されているため、これが「信頼」に代わっているということです。
上記で技術的に安全であることをお伝えしましたが、物理的にはどうでしょうか。
問題点②
銀行を信頼することの問題点の2つ目として、銀行の取引記録が全てなくなってしまえば、誰がいくら持っているかなども不明になってしまうリスクがあります。
これに比べてビットコインの場合は、ビットコインの全ての取引記録は、ビットコイン参加者全員に共有されています。
すなわち、ビットコイン参加者誰か一人のパソコンやサーバーが破壊されても、世界のどこかにビットコイン参加者のパソコンが残り続ける限り、取引記録が消え失せることはないのです。
3.透明性かつ匿名性
1,2に加えて最後のメリットになります。
2で全ての取引記録が全ビットコイン参加者のパソコンなどに保存されると述べましたが、この取引記録は、実は誰でも閲覧可能なのです。
つまり、自分の送金したビットコインがその後どのアドレスに移っていったかを誰でも確認できるということです。
しかし、移っていった軌跡はわかっても、そのアドレス保有者が実際に誰のものなのかを判明させることは、自己申告以外不可能です。
それが透明性と匿名性が高い理由になります。
結論
上記で述べたビットコインのメリットを知ることによって、ビットコインの潜在的な価値を少しは感じていただけたでしょうか??
かなり簡潔に表現しておりますが、実際にはより複雑なシステムが絡んでおり、通貨としての完成度は私の説明で感じるよりも遥かに高いです。
現状、ビットコインが実際の社会で使われる例は少ないですが、今後用途がさらに増えてくることにより、ビットコインの真価が発揮され、価値もより上がっていくであろうと思います。
これを読んでいただいたみなさまも、ビットコインの未来に期待できると感じたのであれば、是非試しにビットコインを保有してみましょう!
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土用の丑の日と鰻について
夏になると、スーパー等の小売店では、「土用の丑の日」のキャッチコピーと共に、
鰻が並びます。
2022年では、7月23日(土)と8月4日(木)が土用の丑の日に当たりますので、是非読者の皆様には私のオススメウナギを食していただき、旬を感じていただきたいと考えております。
今回は、そんな旬の一品「鰻」を楽しんでいただくために、「土用の丑の日」が何の日であるか、そもそもなぜその日に鰻を食べるのか、そして鰻を食べるとどんな効能があるのかについて書いていきたいと思います。
土用の丑の日について
まず初めに、「土用の丑の日」はどんな日なんでしょうか。
わかりやすいように、「土用」と「丑の日」に分解してご説明していきます。
1つ目の「土用」ですが、この言葉は中国の自然の理を説明する陰陽五行説から来ています。
陰陽は社会と自然のあらゆる動きを生み出す原理で、陰と陽が交替して現れると考えるのが陰陽説で、宇宙のあらゆる物を生成させる根本元素は、木・火・土・金・水である、という五行説であり、これら中国古来の系統の2つの思想が、漢代までにむすびついて陰陽五行説になりました。
このうち、五行説にある木・火・土・金・水はそれぞれ春夏秋冬に当てはめられ、四季の春を木気、夏を火気、秋を金気、冬を水気にあてはめ、各季節の終わり18日間に土気をあてました。
「土気」は各季節の最も盛んなときをさすことから、中国語にあった「土王」か「土旺」が用いられ、発音が訛って「どよう」となったと考えられています。
これが「土用」の語源です。
また「丑の日」についてですが、これには干支が関係しています。干支は、十干と十二支を組み合わせた60を周期とする数詞で、古代中国にはじまる暦法上の用語です。 暦を始めとして、時間、方位、ことがらの順序などに用いられていたため、日付にも使われていました。
上記から、各季節が最も盛んな季節の終わり18日間が土用、そして干支で日付を数えた時、丑に当たるのが丑の日。そしてこれらが重なるタイミングが「土用の丑の日」。
これが土用の丑の日の定義です。
土用の丑の日に鰻を食べる理由
続いて、今度は何故土用の丑の日に鰻を食べるのかをご説明していければと思います。
これは結論から述べさせていただくと、土用の丑の日が季節の変わり目であり、すなわち体調を崩しやすいからなのです。
鰻は食物として栄養価が高いと言われていますが、これについては奈良時代より定評があるようです。その証拠に、7世紀から8世紀に編纂された「万葉集」には、下記のように奈良時代の歌人である大伴家持がウナギを詠んだ歌があります。
「石麻呂に吾れもの申す夏痩せに
よしといふものぞむなぎとり召せ」
「石麻呂さん、夏痩せにはむなぎ(ウナギ)を食べると良いですよ。」と、石麻呂という貴族に勧めている歌です。
そして石麻呂からはこんな返しが。
「痩す痩すも 生けらばあらむを 将やはた
武奈伎(うなぎ)を漁ると 河に流れな」
「痩せていても死ぬわけじゃないです。鰻取りに夢中になって流されないように。」
と、皮肉のような思わずクスッとしてしまうやりとりですが、この歌からわかるように、
昔から体調を崩しやすい夏にはウナギを食べて栄養を付けようという風潮があったということです。
このように、季節の変わり目である「土用」で、さらに「う」で始まる「丑の日」には、最初に「う」の付く鰻を食べて、体調を整えようというのが土用の丑の日に鰻を食べる理由であり、時代を超えて現代に引き継がれている慣習である、ということでした。
鰻について
最後に、実際に鰻にはどんな栄養があるのか、また日本ではどこが鰻の名産地なのかなど、実際にみなさまが最高の鰻を選んでいただくための情報をご説明します。
鰻の栄養について
うなぎに含まれている豊富な栄養素を挙げると、ビタミンではビタミンA、ビタミンB1・B2、ビタミンD、抗酸化作用のあるビタミンE、ミネラルでは生殖力を高める亜鉛、ストレス軽減や骨を丈夫にするカルシウム、そして脂質の部分にはあらゆる病気リスクを低減させるDHA、EPAも豊富に含まれています。加えて、うなぎの体の表面のぬるぬるした部分にはムチンという胃腸の粘膜を保護する成分が含まれており、非常に多くの栄養が含まれています。
その中で、今回は鰻の栄養素として代表的なビタミンA、ビタミンB1・B2をピックアップしてご紹介します。
ビタミン群の中でうなぎに最も多く含まれているのは、目の働きに良い効果、免疫力を高め、ウイルスや細菌への抵抗力を強くしてくれる効果のある「ビタミンA」です。うなぎ1匹で成人が一日で必要とする量のビタミンAが補えるほどと言われています。
次に多く含まれているビタミンB群では疲労回復に効果があるビタミンB1、口内炎や髪、爪、皮膚など粘膜系の健康維持に効果的といわれ、美肌や美容のためのビタミンと言われているB2が豊富です。これらのビタミンはそれぞれ糖と脂質をエネルギーに変えるときに必要となるビタミンであり、特にビタミンB1が不足する、疲労やイライラといった症状が起こりやすくなります。
昔からうなぎが「スタミナの素」言われる理由は、これらビタミンB群が豊富だからなのです。
鰻の名産地について
食用うなぎとして名高い二ホンウナギは絶滅危惧種として認定されています。
ニホンウナギだけでなく、世界中で鰻の希少価値は高まっています。
その原因は、実は日本人にあります。
というのも、世界の鰻の消費量の7割は日本であり、2012年時点では海外からの輸入量は日本の生産量の12倍ほどでした。
しかしながら、鰻がよく獲れる中国や台湾などが欧米に漁獲目的で渡航する業者も現れるほど国際的に鰻は獲れにくくなり、年々輸入量も激減し、ワシントン条約で鰻の国際取引を規制する手前まで検討されました。
それ故、食用のうなぎは99%以上が養殖に頼っているのが現状です。
そして、国内で養殖の生産量が最も多いのは、国内生産量の40%シェアを占める
鹿児島県です。次いで、愛知県と宮崎県が並びます。
第4位は静岡県で、静岡県の浜松は鰻の養殖を日本で初めて行ったというブランドがあります。
しかしその後、鹿児島県の環境が養殖にとって都合が良かったため、浜松の生産量を上回っていきます。
鹿児島県の環境が鰻養殖に適していた要因は二つあり、一つは「水温」です。
鹿児島県は年間を通して温暖な気候であり、それ故に水温が一定しています。
その結果、鰻の生育が可能な水温を一年中保つことができ、常に供給が可能なのです。
二つ目は、「水質」です。
鹿児島県には、シラス台地と呼ばれる、火山灰が積もって出来上がった大地が存在します。
このシラス台地は、鹿児島県の面積の半分ほどを占めており、なんと「ろ過」機能があるのです。
それ故、鹿児島県の鰻は良質な水源の水を摂取することで、ストレスなく快適に過ごすことができます。一般的に、ストレスがある魚は魚肉に含まれる旨味成分であるアミノ酸が分解されてしまい、味が悪くなってしまいますが、そういったことが起こりにくい環境であり、より美味しい鰻が生産可能ということです。
まとめ
この記事を通して、土用の丑の日とは何なのか、何故この土曜の日に鰻を食べるのか、そしてどんな鰻を選んで食べるのが最適なのか、ということをざっくりと理解していただけたかと思います。
実際には、鰻名産地として有名なブランドが、それぞれの池で工夫を重ねた生育を重ね、市場へ卸し、消費者の生活の中に現れます。
そのようにたくさんのブランドがある中で私が最も好んでいるのは、鹿児島県の「大隈地域」の鰻です。
大隈地域は鰻の生産量が国内最大の地区であり、生産から加工まで一貫して行うことで、安全で洗練された状態で市場に出回るのが特徴です。
今回鰻に少し詳しくなったみなさまには、ぜひこの大隈地域の鰻を食していただき、土用の丑の日を堪能しつつ、今後鰻を選ぶ時に今回の内容を想起していただければと思います。
筆者がおすすめする大隈地域の鰻は下記から。
牡蠣について
こんにちは。
海のミルクとも呼ばれ、食卓でも人気を博する「牡蠣」。
春夏には岩牡蠣が、秋冬には真牡蠣が旬のものとして人気です。
栄養面ではビタミン・ミネラルではビタミンB12と亜鉛、セレンを多く含み、
生食はもちろん、カキフライやアヒージョなど、数多くの料理に用いられます。
この記事では、そんな牡蠣について書いていこうかと思います。
牡蠣とは
まず初めに、牡蠣は生物学的には「軟体動物」で、体の左右に1対2枚の貝殻をもつ「二枚貝」という分類になります。
二枚貝は、浜や干潟に生息するシジミやアサリといった小柄な二枚貝から、岩礁に固着するカキやムール貝など、海岸べりに大量に生息していて採取も容易であり、有史以前から全世界の沿岸地域で食物として利用されてきました。縄文人のゴミ置き場であった貝塚はその名のとおり貝殻が多くを占めており、重要な食物であったことが分かります。
生食用の牡蠣と加熱用の牡蠣の違い
まず初めに、牡蠣はよく当たることで知られていますが、原因は主に「ノロウイルス」「腸炎ビブリオ(菌類)」「貝毒」「アレルギー」であり、
つまりウイルスや菌が大半です。
よく鮮度が原因で当たる、当たらないの判断をされることが日常多いですが、実はこれは誤りです。
結論から言うと、牡蠣が当たるかどうかは、鮮度ではなく、菌やウイルスがどれだけ多くいるか、です。そしてその程度を決めるのは”海域の差”になります。
もう少し掘り下げてみましょう。
今回フォーカスする海域は、主に沿岸部か沖合かで分けることができ、一般的に沿岸部は当たりやすく、沖合いは当たりにくいです。なぜでしょう。
これを説明するために、広島がなぜ牡蠣の名産地であるかに触れたいと思います。
広島の牡蠣
因みに、広島が全国一かつ日本の牡蠣生産量の6割を占める所以は、
養殖環境の良好さにあります。
歴史的には、縄文時代から牡蠣が食べられていたとされる広島湾ですが、養殖が始まったのは室町時代 (1532年~1555年頃) という説もあります。いかだによる養殖が普及したのは戦後のことで、生産量は飛躍的に伸びたと言われています。
そんな広島の理想的な環境には、以下2点の要素があるのです。
-
河川の多さ
-
波のない湾内
1について、広島は太田川をはじめとする河川が多く、河川は一般的に植物プランクトンを豊富に含みます。(植物プランクトンは一般的に、塩分濃度が低く、蛍光強度が高いほど多い。)
つまり、河川が多い広島の沿岸部にはプランクトンや栄養素を多く含んだ
牡蠣が多く、美味になるのです。加えて2について、島や岬が多く湾内の波が静かな環境であるため、養殖いかだを大量に設置できます。
上記の理由から、量、質の面ともに牡蠣の生産に資する環境が揃っています。
1で河川がいかに栄養分を豊富に含んでいるかを説明しました。
しかし実はその分、菌やウイルスも海に比べて河川の方が多く存在しています。
そして一般的に、牡蠣は一日300Lの海水を摂取し、その際にプランクトンや栄養分を吸収するため、河川が近い湾岸や河口の牡蠣の方がより多くのプランクトンや栄養分、そして菌やウイルスも多く摂取しています。
これが、河川付近の牡蠣が沖合いの牡蠣より当たりやすい所以です。
まとめ
このように、河川と通じている沿岸部に生息する牡蠣は、沖合いに比べて
栄養分やプランクトンを多く含みます。しかし、河川には菌やウイルスも多く、沖合いに比べて水質も悪いです。それ故そのような牡蠣はその分菌やウイルスも共に多く吸収しているということになります。
これが、沿岸部の牡蠣が当たりやすく、沖合いの牡蠣が当たりにくい理由です。
したがって、食用の分け方として、前者は「加熱用」、後者は「生食用」として扱われることが多いのです。
上述を踏まえると、味の面では実は加熱用の牡蠣の方が栄養分を多く含み、重ねて生食用は減菌洗浄をしているため2〜3日ほど断食を強いられ、身が痩せてしまうため、加熱用の方が美味な傾向があるのです。
今回は牡蠣について、基本的な周辺知識をまとめてみました。
外食や食卓で牡蠣を選ぶ機会には、是非想起していただきたいです。
私自身も牡蠣が好きなので、購入する際には上のような知識が尺度になることが多いです。最近は、産地や種別など豊富な選択肢から選ぶことができるAmazonの「e-oyster」で、旬や気分に合わせて牡蠣を購入し、堪能しているところ。
ぜひいつもと違った角度から牡蠣を選んで、自分好みの牡蠣を購入していただきたいと思います。